教科書を読んだあと「何が分かった?」に答えにくい子への聞き方

「何が分かった?」と聞いても返事が続かず、どう手助けすればよいか迷うことがあります。まず選択肢で話題を絞り、短くまとめてから本文の根拠を探すと、説明の手がかりを作れます。
答えがすぐ出ないことだけで、内容を理解していないとは限りません。質問が広くて、何から話せばよいか決めにくい場合もあります。さいたま市のご家庭でも、学校で使っている教科書の一段落を使い、次の手順を短時間で試せます。
なぜ「何が分かった?」だけでは答えにくいの?
「何が分かった?」は、読んだ内容を思い出し、重要な点を選び、順序を整えて言葉にすることを一度に求める質問です。大人には簡単に見えても、子どもには答えの範囲が広すぎることがあります。
たとえば理科の説明文を読んだあと、「何が分かった?」と聞く代わりに、「この段落は、実験の準備と結果のどちらの話かな?」と尋ねます。まず話題を選べれば、次に「結果について、本文では何と書いてある?」と聞く道筋ができます。
すぐに言葉が出ないときは、考える時間を置いたり、本文を一緒に見たりして構いません。問いを細かくするのは、答えを誘導するためではなく、説明の入口を見つけるためです。
家庭では「選ぶ→まとめる→根拠を見る」の順で聞く
毎回、長い説明を求める必要はありません。教科書の一段落や見開きの一部を使い、次の順に確認してみましょう。子どもが答えやすそうなところで止めても大丈夫です。
- 選ぶ:「この段落は、何について書いてある? 原因と結果なら、どちらが中心かな」など、二つ程度の選択肢を示します。
- まとめる:選んだ内容を「つまり、〇〇ということかな?」と短い言葉にします。子どもが一言で答えたら、それを受け止めて、必要なら「もう一つ付け足すとしたら?」と尋ねます。
- 根拠を見る:「そう考えたのは、どの言葉から?」と本文に戻ります。指さしや線を引く形でもかまいません。
たとえば、本文に「日なたに置いた水は、日かげに置いた水より早く温度が上がった」と書かれているとします。保護者が「比べているのは日なたと日かげ、どちらかな」と問い、子どもが選べたら、「違いは何だった?」と短く確認します。最後に、比べた条件が書かれた箇所を一緒に探します。この例は手順を示すためのものです。実際には、お子さんが読んだ教科書の内容に置き換えてください。
教科によって、どんな問いに変えればいい?
質問は教科の文章に合わせて少し変えると、何を説明すればよいかが見えやすくなります。
- 国語:「登場人物の気持ちが変わったのは、どの場面かな?」と選び、「何がきっかけだった?」と本文の言葉を探します。
- 理科:「これは実験の方法、結果、考察のどれかな?」と確かめ、結果を表す文や図を一緒に見ます。
- 社会:「この段落は、場所・くらし・変化のどの話かな?」と範囲を絞り、地図や写真、本文のどこが手がかりかを探します。
算数の文章題では、説明を求める前に「分かっている数」「単位」「何を求めるか」を分ける方法もあります。教科書を読むときの確認とあわせて、算数の単位・数値・求めるものを整理する方法も参考にできます。
どの教科でも、最初から「理由まで全部説明して」と求めず、まず話題を選ぶ、次に一文で言う、最後に根拠を示す、と段階を分けるのがポイントです。
答えが出ないときは、質問の出し方を調整する
選択肢を示しても答えにくい場合は、選択肢の数を減らす、問いを一つにする、本文の該当箇所を一緒に読むなど、負担を軽くしてみます。「どこに書いてある?」が難しければ、「この段落と次の段落なら、どちらにありそう?」と範囲を狭めてもよいでしょう。
一方、保護者が先に正解を言い、子どもに繰り返させるだけになると、本人が本文から手がかりを探す機会は減ります。「この言葉が答えかな?」と決めつけず、「どの文が近そう?」と一緒に確かめてください。「ちゃんと読んで」と言う前に問いを絞る方法は、問題文の条件を一緒に探す声かけでも紹介しています。
家庭で確認するときは、できたかどうかを採点するより、「どの問いなら答えやすかったか」「本文に戻ると見つけやすかったか」を見ると、次の工夫を選びやすくなります。毎回うまく説明できなくても、問いの形や読む範囲を変えながら様子を確かめてください。
学校や学習先には、どんなふうに相談する?
家庭で試しても難しさが続く場合は、まず「どの教科の、どの場面で止まりやすいか」を具体的にして、担任の先生や学習先に相談できます。たとえば、「教科書を読んだあと、自由に説明する質問では言葉が出にくいが、二択なら答えられる」「本文に戻ると根拠を指せる」と伝えると、状況を共有しやすくなります。
相談時には、使っている教科書や単元、家庭で試した問い、答えやすかった形式をメモしておくと役立ちます。さいたま市内でも、相談先の対応や学習の進め方は一律ではありません。学校での様子を聞き、必要に応じて家庭学習や指導方法を相談しましょう。学習先を探している場合は、指導形態や相談できる内容を比べるために、大宮・北浦和・南浦和の個別指導塾の選び方も確認できます。
よくある質問
「何が分かった?」と聞くのは避けたほうがよいですか?
避ける必要はありません。ただ、答えにくそうなら質問を小さくし、「この段落の話題は何?」「どの文が手がかり?」と順に聞く方法があります。
選択肢を出すと、答えを教えてしまいませんか?
選択肢は、考える範囲を絞るために使えます。正解を決めつけず、選んだあとに「本文のどこからそう思った?」と確かめれば、本人の考えと根拠を確認できます。
毎日練習したほうがよいですか?
毎日行う必要はありません。宿題や家庭学習の中から一段落だけ選び、負担の少ない範囲で試せます。疲れているときは、読むだけにするなど、その日の様子に合わせてください。
説明できない場合、読解力テストを受けるべきですか?
この困り方だけでテストが必要とは判断できません。たとえばリーディングスキルテスト(RST)は、文章理解に関わる複数の力を測るテストとして運営団体が説明していますが、家庭での聞き方を工夫するために受検が必須ということではありません。気になる場合は、目的や結果の活用方法を公式情報で確認し、学校や学習先にも相談してください。
参考資料と編集部の見解
参考資料:リーディングスキルテスト(RST)公式サイト「リーディングスキルテストとは」。読解に関わる複数の分野を測定するテストとして紹介されています。ALL DIFFERENT株式会社「新井紀子先生インタビュー」は、主に社会人の読解力を扱ったインタビューです。本記事の家庭での練習手順を直接示す資料ではありません。
編集部の見解:「選ぶ→まとめる→根拠を見る」は、教科書の内容を説明する場面で試せる家庭向けの手順として編集部が整理したものです。特定の成果を保証するものではありません。子どもの反応を見ながら、問いの範囲や量を調整してください。
