算数の教科書特有の文章表現について解説 - なぜうちの子は文章題が解けないの?
「計算はできるのに、文章題になると途端にできなくなる…」
お子さまの算数の勉強を見ていて、こんなお悩みを抱えていませんか?実は、この問題の根本原因は「計算力」ではなく「読解力」にあるかもしれません。
今回は、数学者・新井紀子氏の研究を参考にしながら、算数の教科書特有の文章表現について詳しく解説していきます。
衝撃の事実:教科書が読めていない子どもたち
新井紀子氏の著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』では、驚くべき調査結果が報告されています。全国2万5000人を対象にした読解力調査で、中学生の約3割が、中学校の教科書レベルの文章を正確に読み取れていないことが明らかになったのです。
さらに衝撃的なのは、進学校の高校生でさえ、半数以上が教科書を正しく読めていないという事実です。
これは決して子どもたちの能力が低いという話ではありません。教科書には、日常会話では使わない独特の表現が数多く使われているのです。
算数の教科書、実はこんなに難しい
算数の教科書には、日常生活ではあまり使わない特殊な文章表現がたくさん使われています。例えば:
1. 抽象的な表現
- 「いくつかの」「さまざまな」「それぞれの」
- 日常会話では「3つの」「たくさんの」と具体的に言うことが多いですよね
2. 「以外」「のうち」などの限定表現
- 「リンゴ以外の果物」
- 「5人のうち3人」
- これらの表現を読み飛ばしてしまうお子さんは少なくありません
3. 視点の切り替えが必要な文章
実際の問題例を見てみましょう。
「子どもが14人、1列に並んでいます。ことねさんの前に7人います。ことねさんの後ろには、何人いますか。」
この問題、小学1年生の内容なのに、広島県で行われた調査では:
- 小学3年生の正答率:28.1%
- 小学4年生の正答率:53.4%
- 小学5年生の正答率:72.3%
つまり、5年生でも約4人に1人が間違えてしまうのです。
なぜでしょうか?それは「ことねさんの視点」に立って考える必要があるからです。「14-7-1=6人」という式を立てるには、自分の視点からことねさんの視点に切り替え、さらに「ことねさん自身は数に含まない」という推論が必要になります。
4. 助数詞の統一
教科書では数に注目させるため、「1人」「2人」と表記しています。
でも、本来は「一人(ひとり)」「二人(ふたり)」と読むのが正しいですよね。教科書では算数の学習効果を優先して、あえて「1人(ひとり)」「2人(ふたり)」という表記を採用しているのです。
このような教科書特有の表記ルールも、子どもたちの理解を妨げる要因になることがあります。
多くの塾が取り組んでいる文章題対策
もちろん、多くの塾では文章題対策に力を入れています。
- 図やイラストを使った視覚的な理解
- パターン学習による解法の習得
- 繰り返し演習による定着
これらのアプローチは確かに効果的です。多くのお子さまが、優れた指導により文章題を解けるようになっています。
ただし、パターンや解法を覚える前に、**まず「問題文そのものを正確に読む力」**が必要不可欠です。どんなに素晴らしい解法も、問題文を正しく理解できなければ使いこなせません。
「教科書を読めるようにする」という新しいアプローチ
私たちの「教科書を読めるようにする塾」では、新井紀子氏が開発した「リーディングスキルテスト(RST)」の研究成果を活用し、教科書を正確に読む力そのものを育てることに特化しています。
具体的な取り組み
1. 文章を「見る」練習
- 一字一句を丁寧に読む習慣づけ
- 「以外」「のうち」などの重要な言葉を見逃さない訓練
2. 視点変更の練習
- 自分視点・相手視点を切り替える力の育成
- 図を描いて状況を整理する方法の習得
3. 推論力を鍛える
- 文章から「書かれていないこと」を正しく推測する力
- 常識や前提知識を適切に使う練習
4. 個別対応の学習支援 お子さま一人ひとりの「読解のつまずき」は違います。
- どの言葉でつまずいているのか
- どの読解プロセスが苦手なのか
- どんな支援が効果的なのか
これらを丁寧に見極めながら、個別の学習計画を立てていきます。
読解力は、すべての教科の土台になる
新井紀子氏の研究では、リーディングスキルテストの結果と学力テストの総合点との間に、0.7を超える強い正の相関があることが明らかになっています。
つまり、読解力が高い子どもは:
- 算数だけでなく、国語・理科・社会もできる
- 高校入試・大学入試でも有利
- 社会人になってからも活躍できる
読解力は、まさに「学力と人生を決める力」なのです。
「勉強嫌い」の本当の原因は?
「うちの子は勉強が嫌いで…」 「塾に通わせたけど続かなくて…」 「いくら教えても成績が上がらない…」
もしかしたら、その原因は「やる気」や「努力不足」ではないかもしれません。
教科書や問題文を正確に読めていないために、内容が理解できず、勉強がつらくなっているだけかもしれないのです。
逆に言えば、教科書が読めるようになれば:
- 自分で学習を進められるようになる
- 問題の意味が分かるから勉強が楽しくなる
- 成績が上がって自信がつく
このような好循環が生まれます。
まとめ:「読める」から始めよう
算数の文章題が苦手な理由は、「計算力」や「数学的センス」の問題だけではありません。
多くの場合、教科書特有の文章表現を正確に読み取る力が不足しているのです。
一般的な塾では、解法やパターンを教えることに重点を置いています。それはそれで大切なアプローチです。しかし、その前段階として「教科書を正確に読む力」を育てることが、実は最も重要な学習の土台になります。
「教科書を読めるようにする塾」では、新井紀子氏の研究成果に基づいた科学的なアプローチで、お子さまの読解力を根本から育てていきます。
読解力は、一生の財産です。小学生・中学生の今だからこそ、しっかりと基礎を築いていきませんか?
お子さまの学習でこんなお悩みはありませんか?
- 計算はできるのに文章題になると解けない
- 何度教えても同じところでつまずく
- 塾に通っても成績が伸びない
- 勉強への意欲が見られない
もしかしたら、それは「読解力」の問題かもしれません。
私たちは、新井紀子氏の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』『シン読解力』で解説されている読解力育成メソッドをベースに、お子さま一人ひとりに合わせた個別の学習支援を行っています。
まずは教科書が読めるようになること。そこから、すべての学びが始まります。
▶ 教科書を読めるようにする塾について詳しく見る https://kyokasyo.com
参考文献
- 新井紀子(2018)『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社
- 新井紀子(2025)『シン読解力:学力と人生を決めるもうひとつの読み方』東洋経済新報社
- 一般社団法人 教育のための科学研究所「リーディングスキルテストについて」