勉強が苦手って?なに?読解力がないということです
「うちの子、勉強が苦手で…」
この言葉、保護者の方からよく聞きます。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
「勉強が苦手」って、具体的にどういう状態なのでしょうか?
- 算数ができない?
- 暗記が苦手?
- 集中力がない?
- やる気がない?
実は、これらすべての根本には、ひとつの共通する原因があることが、新井紀子氏の研究で明らかになりました。
その原因とは、**「読解力不足」**です。
今回は、「勉強が苦手」の正体を科学的なデータとともに解き明かしていきます。
「勉強が苦手」の様々なパターン
まず、保護者の方が「うちの子は勉強が苦手」と感じる、よくあるパターンを見てみましょう。
パターン1:「計算はできるのに、文章題が解けない」
算数の計算問題はスラスラ解けるのに、文章題になると途端に手が止まる。
保護者の解釈: 「応用力がないのかしら?」
パターン2:「理科や社会の暗記ができない」
何度覚えても、テストになると思い出せない。
保護者の解釈: 「記憶力が悪いのかな?」
パターン3:「国語のテストも、算数のテストも、いつもケアレスミス」
分かっているはずなのに、問題文を読み間違える。
保護者の解釈: 「集中力が足りないのね」
パターン4:「授業を聞いても、内容が理解できていない」
先生の説明を聞いても、何を言っているのか分からない様子。
保護者の解釈: 「頭の回転が遅いの?」
パターン5:「塾に通っても、成績が上がらない」
塾で習っているはずなのに、一向に成績が伸びない。
保護者の解釈: 「塾が合っていないのかも?」
実は、これらすべてのパターンに、共通する根本原因があるのです。
「勉強が苦手」の正体は「読解力不足」
新井紀子氏の研究で明らかになった衝撃的な事実があります。
進学校の高校生でさえ、半数以上が「教科書を正確に読めていない」
つまり:
- 文字は読める
- 音読もできる
- でも、内容を正確に理解していない
これが、「勉強が苦手」の正体なのです。
なぜ読解力不足が「勉強が苦手」につながるのか?
理由は明確です。
すべての教科は、教科書を通して学ぶからです。
- 算数の文章題: 問題文が読めなければ、何を求められているのか分からない
- 理科の実験: 手順が読めなければ、正しく実験できない
- 社会の資料: グラフや文章が読めなければ、内容が理解できない
- 国語の読解問題: そもそも読解力がなければ、解けるはずがない
つまり:
読解力がない = 教科書が読めない = 勉強が苦手
この図式が成り立つのです。
衝撃のデータ:読解力が学力を決める
新井紀子氏が開発した「リーディングスキルテスト(RST)」の受検者は、50万人を超えました。
この膨大なデータから、驚くべき事実が明らかになりました。
データ1:相関係数0.95という衝撃
ある県では、高校の入学偏差値とRSTの能力値の相関係数が0.95もありました。
相関係数0.95というのは、ほぼ完全に近い相関です。つまり:
読解力が高い → 学力が高い(偏差値が高い) 読解力が低い → 学力が低い(偏差値が低い)
この関係は、ほぼ確実に成り立つということです。
新井氏は次のように述べています:
「中3以上になると読解力は自然には上がらないので、RSTの能力値が学力をほぼ決定していると言えます。」
データ2:全教科の成績との相関
RSTの6分野の平均能力値と、小中学生の学力テストの総合点との間に、0.7を超える強い正の相関があります。
これは何を意味するのでしょうか?
読解力が高い子どもは:
- 国語だけでなく
- 算数も
- 理科も
- 社会も
- すべての教科で成績が良い
ということです。
逆に、読解力が低いと、どの教科も苦手になってしまうのです。
データ3:成果が出た学校の例
福島県相馬市の桜丘小学校では、読解力トレーニングを導入した結果、全国学力テストの正答率が劇的に向上しました。
【国語】
- 2021年: 57%(全国平均64.7%)
- 2023年: 70%(全国平均67.2%)
【算数】
- 2021年: 61%(全国平均70.2%)
- 2023年: 66%(全国平均62.5%)
わずか2年で、全国平均を大きく上回る結果を出したのです。
「読解力不足」の具体的なサイン
では、お子さまが読解力不足かどうか、どうやって見分ければいいのでしょうか?
次のようなサインがあれば、読解力不足の可能性が高いです。
サイン1:問題文を最後まで読まない
問題の最初の方だけ読んで、勝手に「分かった」と思い込んで解き始める。
サイン2:「以外」「のうち」などの言葉を読み飛ばす
「リンゴ以外の果物」を「リンゴ」と読み間違える。
サイン3:「これ」「それ」が何を指すのか分からない
指示語が何を指しているのか、文脈から判断できない。
サイン4:主語と述語の関係が分からない
「太郎は、花子が作ったケーキを食べた」で、誰がケーキを作ったのか混乱する。
サイン5:文章を書き写すとき、一字ずつ写す
文章を意味のかたまりとして認識できず、一字一字を写している。
サイン6:教科書を「読んだ」と言うが、内容を説明できない
文字を目で追っただけで、内容を理解していない。
多くの塾が取り組んでいる対策
もちろん、多くの塾では「勉強が苦手な子」への対策に力を入れています。
- 基礎から丁寧に教え直す
- 個別指導で一人ひとりに合わせた指導
- 反復練習で定着を図る
- 分かりやすい解説動画
- 暗記のテクニックを教える
- モチベーションを上げる工夫
これらのアプローチは非常に価値があり、多くのお子さまが成績を伸ばしています。
特に、個別指導塾では、お子さまのつまずきポイントを見つけて、丁寧に教え直してくれます。これは本当に素晴らしいアプローチです。
また、集団塾でも、分かりやすい授業で基礎から応用まで幅広くカバーしてくれます。
しかし、その前に「読める」ようになっているか?
ただし、新井氏の研究が示すのは、もっと根本的な問題です。
どんなに丁寧に教えても、どんなに分かりやすい解説でも、教科書を読めなければ、自力で学習を進めることができない。
つまり:
- 塾で習ったことを、家で復習できない
- 教科書を自分で読んで、予習できない
- テスト前に、自分で勉強できない
結果として、塾に依存するしかない状態になってしまうのです。
「勉強が苦手」から脱出するには?
では、どうすればいいのでしょうか?
新井氏の研究で明らかになった、希望に満ちた事実があります。
読解力は、正しいトレーニングによって、誰でも伸ばすことができる。
実際に、読解力トレーニングを導入した学校では:
- RSTの能力値が上がった
- 全国学力テストの点数も上がった
- 自分で学習を進められるようになった
という成果が報告されています。
つまり、読解力は:
- 生まれつきの才能ではない
- IQの問題でもない
- 努力すれば、誰でも伸ばせるスキル
なのです。
「教科書を読めるようにする」という新しいアプローチ
私たちの「教科書を読めるようにする塾」では、新井紀子氏が開発した「リーディングスキルテスト(RST)」の研究成果を活用し、読解力そのものを育てることに特化しています。
従来の塾との違い
多くの塾のアプローチ(これも大切!):
- 分からないところを教える
- 問題の解き方を教える
- 反復練習で定着させる
私たちのアプローチ:
- 教科書を「正確に」読む力を育てる
- 自分で学習を進められる力をつける
- すべての教科の土台を作る
これは、従来の塾の代わりではなく、その土台となるものです。
具体的な取り組み
1. 一字一句を丁寧に読む練習
- 「以外」「のうち」などの重要な言葉を見逃さない
- 問題文を最後まで読む習慣をつける
2. 指示語の特定訓練
- 「これ」「それ」が何を指すのか確認する
- 文章の流れを追う
3. 主語・述語の明確化
- 「誰が」「何を」「どうした」を正確に把握する
- 複雑な文構造を整理する
4. 視写(文章を書き写す)トレーニング
- 意味のかたまりで文章を認識する
- 長期記憶に定着させる
5. 音読と黙読の組み合わせ
- 教科書の重要な箇所を音読する
- 内容を意味に落とし込む
6. 全教科で実践
- 国語だけでなく、算数・理科・社会の教科書も読む
- すべての教科の土台を作る
7. 個別対応の徹底 お子さま一人ひとりの「読解のつまずき」は違います。
- どこでつまずいているのか
- どんな支援が効果的なのか
これらを丁寧に見極めながら、個別の学習計画を立てていきます。
「勉強が苦手」は克服できる
新井氏の研究が示す最も重要なメッセージは、次の点です。
「勉強が苦手」の正体は「読解力不足」であり、読解力は誰でも伸ばせる。
つまり:
- お子さまのIQが低いわけではない
- 生まれつきの能力の問題ではない
- やる気や根性の問題でもない
ただ、「教科書を正確に読む力」が不足しているだけなのです。
そして、その力は、正しいトレーニングで必ず伸ばせるのです。
まとめ:すべては「読める」から始まる
「うちの子、勉強が苦手で…」
その悩みの正体は、**「読解力不足」**かもしれません。
新井紀子氏の研究が示すデータは明確です:
- 読解力と偏差値の相関係数は0.95
- 読解力と全教科の成績の相関係数は0.7以上
- 読解力トレーニングで、成績は必ず上がる
多くの塾では、分からないところを丁寧に教えてくれます。それは非常に価値のあるアプローチです。
しかし、その前段階として、教科書を自分で読める力を身につけることが、実は最も重要な学習の土台になります。
「教科書を読めるようにする塾」では、新井紀子氏の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』『シン読解力』で解説されている読解力育成メソッドをベースに、お子さま一人ひとりに合わせた個別の学習支援を行っています。
「勉強が苦手」は、克服できます。 その第一歩は、「読める」ようになることから始まります。
こんなお悩み、ありませんか?
- 「うちの子、勉強が苦手で…」
- 「塾に通わせても、成績が上がらない」
- 「何度教えても、同じところでつまずく」
- 「やる気がないように見える」
- 「集中力が続かない」
もしかしたら、それは「やる気」や「能力」の問題ではなく、「教科書を正確に読む力」が不足しているだけかもしれません。
新井紀子氏の研究では、読解力と学力には0.95という非常に強い相関があることが証明されています。つまり、読解力を伸ばせば、「勉強が苦手」から脱出できる可能性が高いのです。
私たちは、新井紀子氏の『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』『シン読解力』で解説されている読解力育成メソッドをベースに、お子さま一人ひとりに合わせた個別の学習支援を行っています。
「勉強が苦手」の正体は、「読解力不足」です。 そして、読解力は誰でも伸ばせる力なのです。
▶ 教科書を読めるようにする塾について詳しく見る https://kyokasyo.com
参考文献
- 新井紀子(2018)『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社
- 新井紀子(2025)『シン読解力:学力と人生を決めるもうひとつの読み方』東洋経済新報社
- 新井紀子(2024)『新井紀子の読解力トレーニング』東京書籍
- 一般社団法人 教育のための科学研究所「リーディングスキルテストについて」
- 一般社団法人 教育のための科学研究所「シン読解力」